江別短歌会が眞願寺で吟行会~短歌会からの礼状と会員の作品~

絶えることのない戦禍、国家間の紛争などの犠牲により故国を追われ望郷と絶望のなかで逝きし人達の無念さは計り知れません。
今年の吟行会の題材は、現在の江別市対雁に実際にありました「樺太アイヌ強制移住者疫病死の悲劇」でした。

7月7日の吟行会の会場をお借りしたうえ、ご住職石堂了正師の樺太アイヌに関わる貴重なるご法話をいただき、樺太アイヌにかぎらず、先住民族の魂の声が聞こえる思いでした。誠にありがとうございました。

この会に参加した者が詠んだ短歌を添えてお礼といたします。

平成22年7月19日 江別短歌会 吟行会担当  菅野 礼子 佐々木 和弘

アイヌ語で人間の意の「アイヌ」これ民族自決の思ひか流る

飯田 哲雄

樺太のアイヌの苦悩を語りいる住職の瞳は慈悲に満ちをり

佐藤 美喜子

大叔父はアイヌのことを「和人にあらず」意味も知らずに聞きしははるか

笹 ツヤ子

アイヌびと法名さずけられしことあるいは無念であったかもしれぬ

島村 章子

何おもひ異境に逝きしや過去帳に残る名かなし樺太アイヌの

橋都 敏子

強制にアイヌ民族移住と言ふ法話のなかに聞きし夏の日

田口 京子

すなどりと雁の豊けき明け暮れを裂かれしアイヌの忍従辿る

宇佐美 恵美子

人間の違いを認め合うことぞ大切なれと説く石堂師

稲葉 稔

滅びたりし民族の歌流れこよ楡も銀杏も青葉掲げる

押山 千恵子

わが祖先アイヌ民族なりしかも国の施策に耐えていま在り

斉藤 六郎

旧土人と言われて学友はうつむきし八十年経れど差別は今も

渡辺 明

樺太より移りしアイヌ民族の郷土の足跡まつる眞願寺

林 正

美しきメノコもゐしや強制移住させられ多くコレラに死すと

岡田 雅子

樺太を離れ江別に眠りゐるアイヌの人よ七夕の空

松本 綾子

対雁の樺太アイヌの歴史解く僧侶の平和の心泌み入る

宮川 總子

対雁に強制移住の樺太アイヌ死と流亡の三十年永々

佐々木 和弘

対雁の地より樺太を望郷のアイヌの民の無念の涙

山道 かつ

北国に平和に暮せし先住の民はひっそり今は奥地に

小川 興二郎

対雁野に移住悲運三十年歴史のあやにアイヌは哀し

中川 純

坊主山に屍埋めて幾年の樺太アイヌの惨を思ひゐる

菅野 礼子

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