利益と環境

 大自然の循環は、大気、水、土壌、生物等の間を物質が循環し、生態系が微妙な均衡を保つことにより成り立っている。その中から恵みである資源を採取して、私たちがより豊かな生活を手に入れるため、経済社会において循環し、ものを造り生産してきた。それによって出た廃棄物などは、再利用されるものもあるが、利用不可能なものは排出され続け、その代表的なものが「二酸化炭素」などのガスで、オゾン層の破壊や温暖化の原因とされ、近年世界規模で排出削減が議論されてきた。
 しかし、その矢先におきた東日本大震災、そして今なお進行中の原発事故は、多くの人々が避難を強いられている中で、収束する気配もない。そして非常に危険で排出することができないタンクにためてあった汚染水が、ついに世界に通ずる海に流失し始めたことがわかった。大自然の循環を考えれば、これは世界中の生命にとって危惧する大問題として受けとめなければならないだろう。
 ご門主様は昨年1月に発布された御消息に『今回の原子力発電所の事故は、自然の調和を破り、後の世代に大きな犠牲や負担を強いることになりました。これは肥大した人間の欲望のもたらしたところにあります。~中略~凡夫(私)の身でなすことは不十分不完全であると自覚しつつ、それでも「世のなか安穏なれ、仏法ひろまれ」と精一杯努力させていただきましょう』と申された。
 「努力」するのはまず『私自身』、そして生きとし生きる人すべて。利益優先なのか、それとも自然環境なのか。関係のない人は誰もいない。
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