小学校の統廃合問題を考える ⑤ 統合委員会が1月30日16回を以て終了

投稿日:2013年2月5日

SONY DSC  江別小学校と江別第三小学校の統合委員会が、統合校の校名など結論先送りのまま閉会した。

統合委員会の目的は、統合校の設置場所と校名・時期を決めることになっていたが、設置場所と時期は決まったようだが、校名は先送りとなり、目的を果たすことは出来なかった。
5年前、地元と小学校PTAより教育委員会に申し出て、教育委員会がやっとおもい腰をあげて開いた説明会より始まった。その中でいろんな意見や要望も出たが「すべての議論は今後開かれる地域協議会で決めます」と教育委員会は地元意見に対しても、その委員会にゆだねることとしてきた。しかし、その地域協議会でも、「統合やむなし」という「統合」だけを決め、次の統合委員会にあとの議論を先送りしてきた。

そしてこの度も、校名はもちろん、校歌なども統合校のビジョンが決まっていないので、と言うことでまた先送りとなり、ほかにもたくさんあった重要事項についてもきちんと議論されず、委員長提案で委員会を閉じてしまった。地元にとっては大事な設置場所と選択されなかった学校の跡地利用についても同様である。

統合委員会は当初より設置場所を決めるについても、大きな意見の隔たりがあり、議論がかみ合っていかなかった。専門的な立場の方や中立的立場の方もいない中、平行線の会議が続いた。私は7回目から招集され委員となったが、隣接し合った地元の問題だけに、第三者委員会などを立ち上げ、設置場所・校名・時期について議論をしていただくよう、要望した。特にこの三つのことを総合的に議論していくことを提案したが議題にもされず、議論もされなかった。

設置場所に選択されなかった学校(地域)は、「学校がなくなる」という現実がある。大切な避難所でもあり、選挙の投票所でもあり、地域のシンボルがなくなるのであるから、せめて校名や歴史・校歌などは設置場所に選択されなかった学校のものを残すべきだ。そして跡地利用も、地元住民のために利用されるよう、市に対して申し入れを行うなり、きちんとしなければならないと申し入れてきたが、教育委員会はまったく説明もないまま、跡地問題は議題にもならなかった。

以前、統合委員会の中で教育委員会として小学校の教育ビジョンを質問したことがあったが、何の答えもなかった。「どんな学校を作りたいのですか?教育委員会としてのビジョンは?それによって設置場所を議論するべきだ」と意見した。しかし教育委員会からの返答はなかった。それなのに今回はビジョンが決まっていないという理由で、校名・校歌が先送りとなってしまった。

今回の統合委員会の最終決定をふり返り、やはり疑問や心配ばかりがうかんでくる。私達の宝である未来の子供たちのいのちをまもり、教育の場として決定された設置場所はふさわしい環境なのだろうか?少子化が進む中、今後も予想される学校の統合問題や学区の見直し、そして登下校の方法も変わってゆくであろう中で、この地区で残し得る学校の設置場所といえるのであろうか?避難所がなくなる駅前市街地の活性化を考えたとき、これでいいのか?

SONY DSC 統合委員会では参加さえ出来ない中で議論が進み、意見できないことも多かったが、中学校PTA会長の立場で委員になっていたので、所属中学校のPTA役員さんの意見も聞きつつ、進学する中学校の問題なども含め、私なりに意見させていただいた。                                統合委員会委員 石堂了正

小学校の統合問題を考える ④