相続

投稿日:2012年9月26日

 明治17年に開教した眞願寺も来年で130年目をむかえます。その間にこのお寺にご縁をいただいた方は、計り知ることは出来ないが、歴史を振り返ると開墾当時の屯田兵の方々のご苦労や悲しみのご縁、移住を強いられ対雁でなくなった樺太の方々のご縁は、寺史に刻まれた開教当時の出来事です。以来、幾多の悲しみをご縁として、代々にわたって「念佛繁盛」と「寺門興隆」のため、このお寺の土台となり、柱となり、屋根となって、ご尽力いただいてきました。また、家にあっては、お佛壇を中心にお念佛いただく生活、そのお姿を子や孫に伝えてこられたことでしょう。そのご懇念が実を結んだ姿が、まさしく今日の眞願寺といえます。
 しかし「核家族化」は「家族」そのものの意味を失い、人と人との繋がりや家族の文化や歴史を断ち切ろうとしています。「うちのお雑煮の具はね~」や、「うちの味噌汁はにぼしのだしがね~」などと、伝わってきたよき文化、そして佛壇を中心とした生活じたい失われつつあります。お葬式やご法事、結婚式なども、お寺でする方も希になり斎場などの会館が主流となっただけでなく、ご近所皆そろって悲しみやよろこびを分かち合ってきたよき文化が、「家族葬」や「二人だけの結婚式」などが増え、近所にいても亡くなったことさえ知らされない時代になってきました。
 『お寺』や『お念佛』とご縁をむすぶ機会さえない今日の若き世代の方々へ、お念佛の声が響き届くよう、繋がりを求めつつ明日へと歩んでいかなければと願うばかりです。
 < 新しい宗派の総合テーマが『そっとつながる ホッがつたわる~結ぶ絆から広がるご縁へ~』と制定されました>