本願寺御正忌報恩講と京都の旅に参加して~釋廣響(廣兼 義之)

投稿日:2000年1月1日

 この度、ご縁があり団体参拝旅行に参加させて頂きました。住職・御家族と10名の参加者でした。1月11日午前6時本堂でお参り。飛行機が降雪のため30分遅れるというアクシデントがありました。大谷本廟では住職、小生がおつとめするなかで3名の方が、無量寿堂に分骨されました。

明けて1月12日いよいよ本山参拝〈御正忌報恩講〉当日、午前6時30分晨朝(おあさじ)終了後、当寺からお二人の方が帰敬式(おかみそり)を新門様より受けられました。

午前10時から始まる日中法要出勤のため、私は事前に住職様よりお借りしていた衣体(五条袈裟、色衣、袴)を持って、緊張と不安が一杯でしたが、総御堂(阿弥陀堂)の横を通り、受付場所へ、教区、組、寺院名をのべて着替え室へ通されました。だれ一人として面識はなく益々不安になった時、『30分前ですので、着替えて控え室に集合して下さい』との事、自分では急いでいるのに袈裟の結び方がスムースにいかず、ただただ焦るばかりでした。

私をふくめた全国から集まった僧侶50名以上は、それぞれ教区、氏名を呼ばれ、後堂へ行き、正しく座し、法要の始まりを待ちました。

後門では式務部長ほか法要を進行される会役者の方々が正座され、モニターを見ながら、入念に準備をしている様子を拝見した時、さすが本山だと感じました。法要が始まり、右余間に座しますと、私がここにいる事の幸せを感動しながら、おつとめの正信念佛偈を唱えさせていただきました。しかし寒いとか(実はホッカイロを2個背中に忍ばせていました)痺れるとかというよりは、ただただ感激のうちに法要も終わり、着替え室に戻っていました。その途中で当別勝円寺、上山住職様に声をかけられた時、一瞬心にホットするものを感じました。

 何事も経験と言われますが、こうゆう機会を与えられました事に対し、住職様に出勤の話を勧めていただいたことに感謝して居ります。終了後は11時20分より、隣の門法会館にて、足利布教使による特別講演「他力本願」についてのご法話がありました。再び14時から始まる逮夜法要に、ご門主様を先頭に住職様も七条袈裟をつけられご一緒に内陣出勤され、長男の郭成君が、さかんにシャッターを切っていました。早朝からの疲れもなく、時間が過ぎて行くのがとても早く感じられました。

今回参加されました全員がただただ感激と喜びで一杯でした。夕食は黄昏の街に場所を移し三嶋亭の高級スキヤキで・・又その場所で住職様と瑞恵坊守さんの誕生祝いが披露され、ケーキでお祝いしておいしくいただきました。

最終日ジャンボタクシー2台で、京都北区にある大徳寺を訪れ、由緒ある大仙院[代表的な枯山水庭園]を拝観、とりわけ千利休との関係は逸話によって語りつがれているとの事。次に向かったのは[高桐院]細川家の墓所があり、ガラシャ夫人の墓石、石灯籠は苔を褥ねに静かに横たわっている所です。その後、東本願寺を参拝、本堂にて住職様より、お西とお東の荘厳の違い等を教えて頂き京都駅へと、僅か2泊3日の旅でしたが、生涯に残る楽しい旅でした。

合掌