随筆 鈴木彰

 「寺報を発行したい・・・・」という言葉には、力強さがあり、洋々とした前途を見つめる若い住職の決意が伝わってきました。夕べの庫裡に同席する朝日町の河合夫妻も同じ思いでこの言葉を聞き、今後の編集発行に共に全力を傾注することを誓いました。河合さんは小学生のお子さんを、私は妻を浄土に見送って間もなくの頃です。
 「門信徒の皆様と共に、み教えをいただき、自分を見つめることによって“できることから始めよう”を見いだしていただきたいものです。この寺報がそんなきっかけになればと念願いたします」という住職の固い決意がのべられ、寺報名を『響』とする第一号が、平成九年三月七日に創刊されました。
 熱い思いを込めて下記の編集後記を書きました。
カラー印刷で、現在の版型となったのは、第五号からで、三月九月の年二回の発行です。多くの皆様のご支援とご協力の賜です。頁を捲りゆくほどに、懐かしさがこみ上げてまいります。あの人この人、あの日あの頃と、尽きることのない懐かしい過ぎ去った歳月のなかで、多くの方々のお世話になったことに今さらながら頭の垂がる思いです。
 毎号表紙の写真と文章は住職の担当で、今に続いております。滋味あふれる「坊守のひとりごと」には心を澄まさせ、法務員の竹澤拓弥さん取材の「わが家のペット紹介」なども、紙面に欠かせぬ読み物となりました。なお、四十五号までの編集後記を担当しましたが、次号からは御門徒の石垣さんに交代させて頂きました。
 紙面作成から発送まで、どれほど多くの方々のご支援があったことか、感謝の思いが込み上げて参ります。また、大所高所から歯車を回し続ける住職がおります。「行動するひと」「実践のひと」と表現して、寺の内外を問わず異をとなえる人はいないと思います。さらに私は「情のひと」を加えたいと思います。個人的にはどれほどの「情」によって、僧としての道を、たどたどと歩ませていただいたものか、振り向けばただただ深く頭の垂れる思いで、感謝の心でいっぱいです。九十歳を迎えたいま、その思いは深まるばかりです。
 旺盛な行動力で教化に専念され、如来様の本堂を念仏の道場として、心の拠り所として、ますます念仏にご相続の輪の広がりの止むことはありません。
 最後になりましたが、坊守様・前坊守様には、物心両面にわたりどれほどのお世話になったものか、お礼の申し上げようもありません。有り難うございました。そして、住職をはじめとする院内の皆様、門信徒の皆様に、心より御礼申し上げたいと思います。本当に有り難うございました。 合掌

釋 彰 響 (鈴 木 彰)

創刊号に掲載の編集後記

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