坊守から・平成31年3月

 子供の頃、クラスでは兄妹多くても3人くらいでしたので、5人というのがなんとなく恥ずかしく、一人っ子がうらやましく憧れていたことを最近ふと思い出しました。今は5人姉妹で良かったなぁと思うのです。
 先日、電車に乗った時のことです。吊革につかまり立っていると、途中から三人の親子が乗ってきて、就学前の男の子二人は私の前にある椅子に座りました。そのお母さんは子供たちの前に立ち、動き始めるとじゃんけんや会話をしていました。
 時々電車のアナウンスが流れます。
「お母さん次は何の駅っていったの?」「トイレは3号車だって!何で電車にトイレあるの?」「お母さんトイレ見たい!」「お母さん何で英語でしゃべってるの?」
 母親は子供たちに質問攻めです。時々母親の手を取り合いながら指相撲。3つ目の駅で降りるまで15分くらいの間、さて何回「お母さん」って呼んだのかな?20回以上は呼んでいたことでしょう。うるさがる様子もなく、一つ一つ答えていた母親の顔はにこやかで、雪深く寒い日でしたが心が暖かくなりました。
 ところで、自分の子供たちは今まで私のことを何度「お母さん」と呼んでくれていたのかな。電車の母親のようにちゃんと答えていたのかな。いつのまにか成人になった子供たちが、これからそれぞれの道へ歩いてゆくことを案じながら静かな本堂で手を合わせました。