姉妹で西本願寺に参拝

山下 眞理子(当別町)


 「京都に行くならぜひ本願寺へ行ってらっしゃいよ。」
 十数年振りに姉と二人で京都に行くことになった。ご住職が昨年のお盆に我が家にお越しいただいた際、それとなく本願寺の話をしてみたら、そのような返答。久々の京都なので、調べれば行きたい所はたくさんありそうだけれども、折角だから住職の言葉に乗っかってみようということになった。
「そこに行けば何かいいことがあるらしい。」
 姉は数日前より京都の別の場所で観光しており、京都駅で私と合流して、そこから徒歩圏内に西本願寺はあった。
 門をくぐると樹齢約400年の大きな銀杏の木が左右に立派に手を広げており、暫く二人でみとれる。
 まずは寺務所へ行き、今回の目的である我が家の永代経開闢法要の手続きをする。我が家の仏壇から持参した祖父の院号を包みから開いて、差し出そうとしたそのとき、「ない!」口あんぐり。持ってきたはずの院号が入ってなかったのである。まさか、そんな…。
 「カタカタカタ…あの、お調べできますよ。」
 「え!…はぁ。確か○○院だったと思います。」
 「…カタカタ、眞願寺さんですね。はい、すでに永代経ご懇志を進納されておりますね。そのほかに貴家様では…この方も、この方も、もうすでに永代経ご懇志進納お済みの方が何名様もいらっしゃいますね。あのよろしかったら、ほかのご家族もお誘い合わせで後日に開闢法要に会われてたらいかがでしょうか。きちんとご接待させていただきますが。」
 「!!!」
 …接待とはなんぞや…と、迫力のある巨大な木造建築の御影堂と阿弥陀堂を繋ぐ渡り廊下を歩きながら、9月も残暑厳しい京都にいて、一気に汗が吹き出した2人でした。
 2日後そのときを迎え、私たちは阿弥陀堂にて荘厳な雰囲気の中、参拝させていただき、法話そして雅楽の演奏までもあるご法要をありがたく頂戴した。
 西本願寺は境内にある建築物のほとんどが国宝か重要文化財であり、立派なものばかりでありながら、非常に開けた場所で自由に観光客も地元の門徒も行き来している。
 かと思えば、数百人規模の地方の門徒集団がたすきを掛けて、お堂の清掃に勤しんでおられる姿も見られた。そんな中、読経がごく自然に聞こえてくる、そんな場所であった。
 その後、担当の方より事務所奥の間へと誘導され、待ちに待ったお斎のご接待を受けることに。台風が近づいてるとのことで、いつもなら離れの飛雲閣に通されるところ、その日は菊の間(国宝)での接待であった。ほの明るい菊の間にはすでにひとりひとりのお膳が準備されていた。
 炊き合わせ、ごま豆腐、煮物、吸い物など、椀に美しく盛られておりすでに感激していたが、皆揃って感謝の心で「いただきます。」と言いほおばると、料理ごとに溜め息が出るほど感動的に美味しい。
 丹精込めて作ったであろう料理番の方に思いを馳せながら、有難く幸せを噛み締めながら味わう。そして、食後にはお抹茶を和菓子とともに。
 十分に満足感で胸とお腹がいっぱいであったが、更に担当の方から菊の間をはじめ、内部を丁寧に説明していただきながら見学となり、歴史を感じさせるくすんだ金色も豪華絢爛な天井画や襖絵の数々、秀吉の謁見の場として利用されていた間など貴重なものを拝観させていただき、誠にありがたく感激ばかりの時間でした。
 帰りに、銘菓「松風」を持ち、まだ見ぬ西本願寺の全貌を横目に、夢心地で西本願寺を後にした私たちでした。
 考えてみれば、ご先祖様も生前、西本願寺に行きたいと願われていたかもしれない。ご住職とご先祖様のお導きにより思いを渡されたこの機会だったと、ただご先祖様に感謝の気持ちであった。 また心残りを作り、戻ってこれることを思いながらの京都西本願寺の旅でした。

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