門徒文芸欄

最後の白菜 萩原明美

物置に並んでいる
三十四個の白菜
父 八十七歳の作品です

足腰が痛くなり
病院に行くようになりました
さすがの父も
これが最後の白菜という

小玉ながら
しっかり硬い
越冬用を残して
白菜のこうじ漬け
朝鮮漬けを
心をこめて作りたい

こんな日も 萩原明美

庭に
ライラックの花が咲いている
暖かな昼下り
レースのカーテンからは
明るい日差しが入り込む

人の声も
車の音もない
時折
かすかな風が窓に触れる

静かに
静かに
時が流れてゆく

穏やかな
こんな日があってもいい

遠忌 古川ウヰ子

大屋根の端の涼しき遠忌かな
雨太し鵜飼果てたる川の面
ぐつぐつと飛騨にをさなき青蛙
秋夕日野積煉瓦をあたたむる

万灯会 早津絹代

秋の夜ともしび集ふ眞願寺
万灯会幼なじみも夜すがらに
八十路越え昔を想ふ夜長かな

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